大阪メトロ中期経営計画”改定版”で変わったこと

大阪メトロ

【2020/06/09追記】加筆修正しました。

当分ゆっくりできる時間がないので、取り急ぎ気になったところだけメモ程度に書いておきます。
落ち着いてから書き直しました!

本日5月29日、大阪メトロ中期経営計画(2018-2025年度)の2020年度改定版が発表されました。去年の改定では駅リニューアルが話題を呼びましたが、今回の改定の中で今までと何が変わったのでしょうか。

都市型MaaSとファースト・ラストワンマイル

都市型MaaSが戦略の核に!

大阪府市が掲げる「スマートシティ戦略」に合わせて取り組んでいく「都市型MaaS」ですが、今回の改定版でめちゃくちゃ推されてますね。

大阪メトロの目指す姿として以前までは「鉄道を核にした生活まちづくり企業」と称していましたが、MaaSを推進することから「交通を核にした生活まちづくり企業」へと変更されました。

簡単に言うと、「新しい交通システムの在り方」を提案しているようですね。
「お客さまに駅・バス停まで来ていただく定時運行の交通システム」から「お客さまのニーズに応じて迎えに行く/待ち時間のロス改善シームレスでストレスフリーな移動を可能にする交通システム」へと変えるそうです。

現時点では地下鉄・バスと最近はシェアサイクルもありますが、それに加えてタクシー・オンデマンドバスを含めた形になるとのこと。

ファースト・ラストワンマイルの負担を解消

「ファーストワンマイル」とは出発地点から交通ネットワークへの移動、「ラストワンマイル」は交通ネットワークから目的地への移動のことを指します。車依存が進むのはこれが原因だと考えられています。

大阪メトロでは、このファースト・ラストワンマイルの負担が大阪の交通網の課題だとしています。簡単に言うと、家から駅、駅から目的地までの移動をもっと楽にしよう!ということですね。

これに一躍躍り出るのがオンデマンドバスです!MaaSアプリを用いてバスを予約することで、乗りたいときに迎えに来てくれて目的地へと向かってくれるのだそうです。

また、シェアサイクルもこの役割を担うものだと思います。車依存を減らし、公共交通機関の利用を促す役割もこのMaaSが担っているということですね。

鉄道事業

ホームドアの設置前倒し!

これもありがたいことです。安全は大事。

四つ橋線と堺筋線のホームドア(可動式ホーム柵)設置が前倒しされます!

全駅にホームドア設置が完了するのは2025年に変わりないですが、かなり早まっていますよね。

御堂筋線全20駅で2021年度までに完了
谷町線全26駅で2025年度までに完了
四つ橋線全11駅で20252024年度までに完了(1年前倒し)
中央線全14駅で2024年度までに完了
千日前線全駅で既に設置済
堺筋線全10駅で20252022年度までに完了(3年前倒し)
長堀鶴見緑地線全駅で既に設置済
今里筋線全駅で既に設置済
南港ポートタウン線全駅で既に設置済

「108駅コンテンツ」で全ての駅を魅力を発見

大阪メトロには駅が108駅あります。(交差駅を路線ごとに数えると全部で133駅)全ての駅で魅力的なコンテンツを発掘・創出して継続的に提供していくそうです。

イベントやツアーを行うそうです。今年の頭にはイベント「純喫茶めぐり」を実施していましたね。管理人の知り合いも楽しんでいました。

物流事業への参入!

「物流」は改定版で初めて出た言葉で驚きました。どうやら、列車を用いた小口荷物の短距離物流事業に参入するようです。

具体例として、観光荷物、宅配物、店舗・自販機への商品配送の3つが挙げられていました。

既にホームドアの設置工事では、終電後に列車で資材搬入を行っていますが、運輸用の鉄道を旅客営業とは別に運行するのか、旅客列車の中に運輸用の車両を設けるのか、乗務員室を用いるのか。おそらく後者だと考えているのですがどうなるのでしょうか。

都市開発の推進

都市開発がさらに広範囲に!

以前の中期経営計画では御堂筋線を中心とした「南北軸」、中央線を中心とした「東西軸」の2つの軸で沿線開発を行うとのことでしたが、それに加えて「近郊・周縁」の3エリアに分けて都市開発を進めるそう。

「近郊・周縁」エリアはその地域の特徴を意識しながら沿線価値の向上を進めていくようです。

個人的には、この「近郊・周縁」エリアに大阪市外も含まれるのかが気になっています。吹田・守口・門真・東大阪・八尾・堺の各市にも何か動きがあればいいなあ。

民泊事業に参入!

外国人観光客を対象とした宿泊施設を運営する株式会社REAH Technologies(リアテクノロジーズ)と提携して、恵美須町に特区民泊制度を活用した宿泊施設を開業します。開業目標は2021年2月です。

大阪メトロは土地・建物の所有、リアテクノロジーズは開業に至るまでの市場調査および事業性検証、施設コンセプトワーク、開業後の集客・運営管理を行うそうです。

今後もこのような形態での民泊を作っていくのでしょうか。また、他業種への新規参入時に他社と提携していくことが増えていくのかもしれませんね。

デジタル広告にも新たな動きが!

中期経営計画より引用

広告事業にも新たな動きが!デジタルサイネージの導入は以前より伝えられていましたが、イメージパースが2枚新たに公開されました!

1枚目は御堂筋線なんば駅の中改札前だと思います。ekimoなんばの近くでもあります。ここに壁一面のLED大型ビジョンが設置されるようです!「Umeda Metro Vision」を彷彿させますね!

2枚目は本町駅の御堂筋線⇔中央線乗り換えエスカレーターですね。エスカレーターの壁に沿ってデジタルサイネージが何枚も設置されています。

今後の動向にも注目

本当に急ぎ足なのですが、とりあえずこの辺については個人的に注目しています。今後の動向にも注意しながら、今度ゆっくり見ていきたいと思います。

【追記】新規事業が毎年のように増えていますね。広告・リテール・都市開発に加えてMaaS・物流・民泊と若干「そんなにいろいろ初めて大丈夫?」と心配になる面もあるのですが、新たな挑戦はワクワクしますし恐れるべきではないと思います。主になる事業が事業なので、そこに手を抜いていなければそれでいいかなと。とにかく大阪メトロの進化にはいつも驚かされ楽しみにしています。これからも応援しています!

参考・引用文献

OsakaMetro「Osaka Metro Group 2018-2025年度 中期経営計画(2020年度改訂版)」
https://www.osakametro.co.jp/company/library/cyukei/2018_2025_cyuukei_2020nendokaitei.pdf

今後の鉄道イベント情報(鉄道コムより)

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コメント

  1. […] また、中期経営計画によると、2021年度までに御堂筋線の全駅にホームドアを設置するそうなので、あと1年半以内には完了していることになります。 […]