【2022/12/04追記】マルタイの留置先について加筆修正しました。
線路とは鉄道を運行する上で必要不可欠なものです。さらに言うと、鉄道を安全に運行させるには線路の安全を守ることが必要不可欠になります。今回はそんな保線(線路保守)のお話です。
どんな鉄道にも保線は必要ですが、普段の保線作業は通常の運行を邪魔しないように営業が終わる深夜から翌朝の初発列車までの短い時間に行っています。多くの鉄道会社では効率的に保線作業をすすめるために様々な保線用大型機械を導入していますが、深夜に作業を行うため、保線作業にお目にかかることは多くの方にとっては珍しいものだと思います。
大阪メトロも例によってなかなか目撃することはできません。というのも、主に保線作業が深夜に行われているのもありますが、大阪メトロは路線の大半が地下区間であるため目撃することが難しいのです。営業時間外に駅構内には入れないですからね。
しかし絶対に見れないわけではありません。なぜなら、御堂筋線、谷町線、中央線には地上区間があるからです。
大阪メトロの地上区間(ニュートラムを除く)
御堂筋線:江坂駅~西中島南方駅
谷町線:八尾南駅
中央線:大阪港駅~弁天町駅
そして今回は公式以外では初めて(だと思い込んでる)、大阪メトロの深夜保線作業を撮影しました!マルタイ(マルチプルタイタンパー)や大型ディーゼル機関車が登場します!
公式を除くと作業中の大阪メトロ保線車両の映像はおそらく史上初?ぜひご覧ください!
深夜の保線作業を撮影!
今回登場する保線作業車
今回登場する保線作業車はOsaka Metroフェスティバルの映像コンテンツでも紹介されていました。
まずは「B-45UE」マルチプルタイタンパー(マルタイ)です。2005年より導入された大阪地下鉄としては2代目のものになります。全長は約23m、自重は約67tです。
線路を持ち上げて枕木下のバラストを高圧力でつき固めることで、列車が走ることで生じる線路のゆがみをミリ単位で修復します。
外の作業員と無線で連絡しながら作業を進め、1つの枕木下の突き固めが終わると次の枕木へと移動してまた突き固めていきます。
車両の前後にある運転席は作業現場までの移動で使用されますが、作業中は車両中央のオペレーター室で車両や機械の操作を行います。
もう一台は「D-33L」。大型ディーゼル機関車と広い括りで紹介されている気がしますが、作業用クレーン車です。ちなみに動画で紹介されている車両は2019年導入の最新車両で、今回の撮影時にも登場します。
主に保線作業に使う機械や材料を運びます。また最大10.6mの高さまで延びるクレーンも搭載しています。
深夜の保線作業を撮影!
西中島南方駅周辺の地域の掲示板にこんな張り紙があったようで、それを知人に教えていただきました。
今回の作業現場は西中島南方駅~新淀川大橋の区間です。
作業は1月11日、15日、19日、22日、28日の5日間の深夜1時半~3時までで、11日、15日は新淀川大橋に近いブロックでの作業ということでこの2日間に撮影。と言っても1日目は下見で撮影は少なめでした。
公開日以降にもあと3日あるのでまだ見れる可能性はあります。
保守作業の内容は「軌道整正作業」ということで
「こ、これはマルタイがくるやつでは…⁉⁉」
と思ったので今回赴きました。予想通り来たのでよかったです笑
学生時代にさんざん言われた5分前集合を見越して、余裕をもって新淀川大橋に来ましたが、作業時間の数分前ぎりぎりにやってきました。
「営業列車が走ってないんだから余裕持って来れるだろ!」と学校の先生なら怒りそうですが、目の前に現れてくれたらならオッケーです。管理人はこれだけで十分大喜びですしね。
窓から御堂筋線が見える家に20年近く住んでいた(過去形)のですが、マルタイを拝見したのは初めてでした。そもそもどれくらいの間隔で作業を行っているんでしょうかね。
そしてもう1台。
マルタイを追いかけるように作業用クレーン車もすぐに来ました。分かりにくいですが、後ろに貨車を牽引しているようです。
また作業用クレーン車は走行中に黄色のパトランプ(警告灯?)を光り回していました。
動く様子は動画でご覧くださいね。
ちなみに2日とも作業をしたのは千里中央方面の車両が走る上り線側でした。
残る3日は作業場所が変わることから、前半2日での作業予定場所は上り線のみ。ということで今回の一連の作業は上り線だけなのだろうと思います。(下り線も近いうちにやってくれないかな)
作業用クレーン車から必要な機材を降ろして作業開始です。
と、ここで動画撮影をいったん止めてすぐにもう一度取り直したのですが、取り直し以降の動画が消えてしまいました。今回新しく買ったスタビライザー専用カメラアプリの使い方に慣れておらずやらかしたっぽいです。つらい。
作業開始以後は、マルタイの作業がメインでした(暗いのでちゃんと見えていませんが管理人にはそう見えました)。枕木を挟むようにツメを入れては隣にズレて、ツメを入れては隣にズレて…の繰り返しです。
見る分には少し退屈でしたね…笑
たまに繰り返しのテンポが悪くなる時があって、「お?なんか起こるか?」と思ったりもしましたが、特に管理人の位置からは何も見えることなく作業が進んでいきました。
そして最後。作業が終わると帰っていくわけですが、2日とも上り線を高速で逆走して帰っていったんですよね。営業列車が1台もないので関係ないんでしょうね。
この記事を執筆中に思ったのですが、マルタイって森之宮検車場に所属(のはず)なのでこんなルートで移動してるんですよね。
森之宮検車場←→森ノ宮←(中央線)→本町←(四つ橋線)→大国町←(御堂筋線)→西中島南方
30分くらいで移動できるのでしょうか。遠回りですが、第三軌条線が全部つながっているのは偉大ですね。
でも本町で御堂筋線と中央線が繋がったら激アツだなと思う管理人でした。
【2022/12/04追記】
コメントでご指摘いただきましたが、マルタイは基本的に長居保線基地に留置されており長居から西中島南方まで来ていたようです。
マルタイは基本長居基地にいます。外からはシャッターの中に留め置きされているので見えません。森之宮から南方へは基本作業をしません。(移動時間がかかりすぎて本作業ができる時間が少ないため)森之宮と長居で1台のマルタイを上手くやりくりしています。
動画はこちらから!
余談ですが、今回の撮影では電動3軸スタビライザー(ジンバル)を使用しました。普段の動画撮影ではスマホで撮影しているんですが手持ちなのですごいブレるんですよね。特に早送りが気持ち悪い…。ですが今回はスタビライザーを使用してかなり見やすくなったと思います。1万円以下の安物ではありますがかなり強力。おすすめです。
参考文献
Osaka Metro公式チャンネル「【保守作業車図鑑】大型ディーゼル機関車」YouTube(現在非公開)
Osaka Metro公式チャンネル「【保守作業車図鑑】大型ディーゼル機関車」YouTube(現在非公開)
電気車研究会「鉄道ピクトリアル 2019年8月臨時増刊号 特集:大阪市高速電気軌道(Osaka metro)」
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コメント
メトロ保線関係者の者です。マルタイは基本長居基地にいます。外からはシャッターの中に留め置きされているので見えません。森之宮から南方へは基本作業をしません。(移動時間がかかりすぎて本作業ができる時間が少ないため)森之宮と長居で1台のマルタイを上手くやりくりしています。