2022年4月7日、主要駅のうち御堂筋線淀屋橋駅、本町駅、大国町駅、天王寺駅、そして中央線大阪港駅、弁天町駅、本町駅、谷町四丁目駅、森ノ宮駅の9駅のリニューアルデザインを公開しました!
現在、大阪メトロでは南北軸の御堂筋線と、大阪・関西万博のアクセス路線かつ東西軸の中央線の主要駅で「地下空間の大規模改革」を進めています。
2019年8月には御堂筋線心斎橋駅、梅田駅、中津駅、動物園前駅、中央線堺筋本町駅の5駅のリニューアルデザインも公開されており、今回は残りのリニューアル対象駅のデザインが一挙に公開されたことになります。
ということで今回は、御堂筋線のリニューアル駅を見ていきます!
リニューアルデザインと現在の様子を比較しながら、何が変わるのか。どう変わるのかを考察していきますよ…!!
御堂筋線の駅リニューアルデザイン
淀屋橋駅「アーチ構造の象徴」
古くから政治・経済の中心地として大阪を支えてきたこのエリアの伝統と格式を、重厚感のある石材やモノトーン基調で表現し、現状のシャンデリアを記憶のモニュメントとして踏襲しつつ、これまでの資産をモダンに再生します。
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
リニューアルを経て、アーチ構造がより強調されていますね。
天井の黒いラインがアーチの骨組みとなり、白い屋根が覆いかぶさっているようにも見ます。この黒ラインがあることでアーチ構造をより感じることができそうです。
また心斎橋駅に似た高級感・上質感が演出される駅になりそうです。
先ほども書いたモノトーンのアーチ。そして柱や壁面に石材が使用されている点や、シャアデリアが継続して採用されている点が類似しています。(ただし両駅ともシャンデリアは一新)
イメージパースを比較してみると、心斎橋駅は黒色が、淀屋橋駅は白色が強い印象を覚えます。心斎橋は夜の街、淀屋橋は昼の街という捉え方もできそうです。
本町駅「インターセクション」
本町駅は、御堂筋線・四つ橋線・中央線の全てのホームにて2017~2019年頃(ソース曖昧)に1度リニューアル工事が行われていました。その際に更新されたのは壁材・床材・サインシステムが中心でしたね。
前回の更新箇所はそのまま残し、未着手だった箇所を今回のリニューアルで更新することになりそうです。
つまり前回と今回のリニューアル工事を総合すると実質的にフルリニューアルすることになります。
(四つ橋線ホームだけは前回のリニューアルのみで、残念ながら今回は見送り。)
南北の大動脈の御堂筋線と東西へ発展する中央線。
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
大阪を代表する2路線が交わり、万博とその先の未来をつくることをコンセプトに高い機能性と象徴性の調和する駅を目指します。
今回の駅リニューアルは御堂筋線・中央線にフォーカスされているということで、御堂筋線・中央線の乗換駅である本町駅は特に力が入っているのではないでしょうか。
ダブルアーチの天井形状と柱の造形を活かしながら、高級感のある素材と最新の照明計画により、モダンとクラシックが共存するデザインとしました。
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
柱の化粧板を一新し、白と黒のモダンな印象へと様変わり。またうっすらと御堂筋線を象徴する赤いラインが入っています。また柱の上部は、天井に向けて広がるように伸びているところも印象的です。
また発車標と乗場案内がセットで柱にくっついているのも確認できます。
大国町駅「地下構造が美しい駅」
御堂筋線と四つ橋線の4線が一つの空間で行き交うというOsaka Metro でもここだけにしかない駅であり、それらを支える地下構造の美しさを強調したデザインとしています。
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
列車が走る軌道の天井は、美しさをより際立たせるライティングで魅力的な空間に仕上げます。
リニューアル後は空間全体が明るくなっています。
管理人は意識したことがなかったのですが、もともと大国町駅はホーム上は明るいものの、線路上には照明がありません。ホームは十分明るいので利用客への支障はもちろんないわけですが、ホームと線路が分断されている印象があるのも確かと思います。
しかし、「同一平面上で2路線が交わる唯一の駅」であるという特徴を最大限生かすためのテーマこそが「地下構造が美しい駅」。線路上も含めて空間全体をライティングすることにしています。
ホームドアの扉部が黒色になっています。
現在大国町駅に設置されているホームドアの扉部は銀色ですが、今後再塗装されるのでしょうか。
南のコンコースには車両模型や車両の歴史に関する展示スペースを設けます。
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
実際に走る車両を展示スペース奥の窓から見ていただける構造とすることで、模型と実際の車両を同じ空間で楽しんでいただける計画としています。
大国町駅で最もアツいのは、コンコース階に新設される展示スペースですよね!
歴史を楽しみながら、ホーム階の車両を見下ろすことのできる超最高なスポットになりそうです。
管理人がイメージパースを見て確認できた展示内容は、大きく4種類です。
- 年表(大阪市営交通・民営化後も含む。「1925」や市電の写真も見えます。)
- 車両模型(左手に60系など、中央に30000系(御)・70系、右手は不明。)
- 車両紹介(柱に掲出。20系と30000系(御)など。)
- 鉄道写真(窓上。100形、70系などの地下鉄車両の写真。)
- 駅リニューアルデザイン(今回発表されたもの、以前より発表されたものも含む。)
天王寺駅「柱の美、格子の美、光の美」
人が行き交い、鉄道が行き交うターミナル駅を象徴する天井のグリッド。
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
その印象的なグリッドと連続する柱の美しさを照明の灯りで際立たせながら、よりクリーンな空間としました。
照明の当て方や素材感で、立体感のある柔らかな空間に仕上げます。
まず気になる点は、シャンデリアがなくなること。
線路の真上に並んでいる、蛍光灯が円形に並ぶ大きなシャンデリア(実は2代目)。ただの照明器具に留まらず、御堂筋線天王寺駅を象徴するアイテムとなっている(と少なくとも管理人は思っている)わけですが、これがなくなってしまうとホームの印象も大きく変わってしまいますね。
天王寺駅の初代シャンデリア。現在は撤去されており、1基のみB階段上で見ることができます。
こちらは現在使用されている2代目シャンデリア。
リニューアル後の照明は、柱についたものと、天井の間接照明のみになりそうです。
それだけでも十分明るくできるんですねぇ。
また天井・壁面・柱・床のデザインが大きな格子柄に統一されます。
デザインが統一されることでより「美」が洗練された駅へと変貌していくわけですね。
(ホームドアも一緒にデザインチェンジしていいんだよ…?)
全体的に…
今回のリニューアルデザインですが、全体的に気になったことをいくつか。
まず1つは間接照明が多く採用されていることです。
大阪メトロでは間接照明は比較的珍しく、長堀鶴見緑地線の一部の駅や、近年の駅リニューアルでは見られるようになってきました。
一方で気になっているのは、リニューアル後の電気設備まわりの扱いについてです。
「駅のコンセプトに合わせて機器ごと交換…」というわけにはいかないと思いますが、これまで通り天井から吊るのも工夫が足りない気がしませんか。本町駅のリニューアルデザインのような趣向が他駅でも凝らされるのでしょうか。
実は梅田駅のリニューアルでは素敵が工夫がなされています。エスカレーターの乗降口を囲う門でサインシステムを表示しており、さらに右手には発車標まで吊られているんですよね!!
こんな工夫がされていれば、もっとリニューアル後の駅が好きになるなぁ…と思った管理人メトロポリマンでした。
中央線編も後日公開!
中央線のリニューアルデザインについても今後書いて行こうと思います。お楽しみに!
引用・参考文献
大阪メトロ「安全・安心の追求とワクワクする「地下空間の大規模改革」 9駅のリニューアルデザインが決定しました」
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