大阪”メトロ”なのに地上を走る区間いくつ分かる?
コスモスクエア~阿波座(中央線)
2025年大阪万博に向けて、いま一番注目が集まっている中央線の地上区間です。
地上駅は大阪港、朝潮橋、弁天町、九条の4駅です。
この区間が地上区間なのは、地盤が緩いから地下を避けたのが大きい理由です。
さらに詳しく説明すると、
- 台風や高潮で、毎年10~15cmの地盤沈下が続いていた。
- 水ようかんのような地質で、地下トンネルは工費がかさむし、工事も危険である。
- 元々海だった箇所を陸地にしている土地のため地中に塩分が多く、塩分で腐食してしまう鉄筋コンクリートにとって相性が悪い。
といった理由があったようです。
中津~江坂(御堂筋線)
次は大阪メトロの大動脈。御堂筋線です。
地上駅は西中島南方、新大阪、東三国、江坂の4駅です。
この区間が地上区間なのは、淀川をどう渡るかを検討した結果決まりました。
具体的には、
- シールド工法で建設は出来るだろうが、技術的な研究が必要だった。(国内の先例が国鉄の関門トンネルしかない)
- 戦前に、淀川を渡る橋の橋脚のみ、建設が終わっていた。
- 高架構造である新幹線や阪急線(未成線)の新大阪駅での接続には、高架駅の方が便利である。
といった理由があったようです。
長原~八尾南(谷町線)
3つ目は谷町線です。
地上駅は八尾南のみ。
この区間の面白いところは、高架ではなく地上階を走っているところです。大阪メトロの営業路線では唯一です。
この区間が地上区間なのは、地上階に建設する八尾車庫に面して駅を設置することになったからです。
谷町線の車庫用地を八尾市が提供することになり、大阪府・八尾市が新駅の併設を提案しました。それに大阪市が応えた形になります。
コスモスクエア~住之江公園(ニュートラム)
地下鉄ではありませんが、大阪メトロの路線なので紹介しておきます。
地上駅はコスモスクエアを除く9駅です。
地下線ではない明確な理由は見つけられませんでした。
しかし少なくとも、南港ポートとタウンのアクセス路線の検討段階で地下鉄やバスなどが挙がっていたものの、いずれの候補も地下線で建設する前提ではなかったようです。
南港地区における交通施設としては、高架構造による地下鉄、モノレール、中量軌道新交通システム、高架道路によるバス専用道、平面道路によるバス専用レーン等が考えられ、(後略)
出典:大阪市交通局「大阪市中量軌道南港ポートタウン線ニュートラム建設記録」,1983,p1.
地下鉄ですら高架で作るのが前提となっています。
理由は地層関係だと、管理人は考えています。
大阪メトロの地上区間の紹介はここまで!
次ページでは、大阪メトロと相互直通運転を行う路線の地上区間を紹介します!
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