大阪メトロ堺筋線も通っている阪急千里線、そして阪急京都線の淡路駅周辺で大規模な高架工事を行っています。
この淡路駅の高架工事の1番の醍醐味は、複雑な配線で有名な現ホームから上下線が2層に分かれているホームに変わることです!大阪だと近鉄布施駅が、他には京急蒲田駅も似た構造ですね。
以前より工事現場には足を運んだことがあったのですが、「大阪メトロポリス」街びらき以来初の訪問です。
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「阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業」について総合的にまとめたページになります!
次回の2021年2月取材の記事です!
阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業
工事の概要
この工事「阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業」は、淡路駅付近の約7.1kmにおいて鉄道を高架化することで、17箇所の踏切を除却し、都市内交通の円滑化と分断された市街地の一体化による都市の活性化を図るものです。また、淡路駅周辺の地域は土地区画整理事業も同時に行うことで、まちづくりを進めています。
1997(平成9)年より用地取得が始まり、2008(平成20)年より工事が開始しました。2024(令和6)年度高架切替、2027(令和9)年度事業完了予定(当初より7年遅れ)ということで、まさに大工事ですね。用地取得に関しては管理人が産まれる前から始まっています…
2019(平成31)年4月1日現在では工事は48%(工事費から算出)進んでいる現在においても、用地取得が97%しか完了していません。これが工期の遅れを生んでいるようです。
事業主体 | 大阪市 |
事業内容 | 連続立体交差事業 |
所在地 | (京都線)東淀川区上新庄1丁目~東淀川区柴島1丁目 (千里線)吹田市南清和園町~東淀川区柴島2丁目 |
延長 | 7.1km |
踏切除却数 | 17箇所(うち1箇所は吹田市域) |
高架駅数 | 4駅(崇禅寺駅、淡路駅、柴島駅、下新庄駅) |
付属街路 | 8路線、L=5.9km、W=6~10m |
現地に撮影
この工事は8つの工区に分け、多数の事業者が同時に工事を進めることで、効率的になっています。
工区によって進捗はさまざまですが、完成に向けて着々と進んでいます。
今回は1工区ずつ順番に工事電場を紹介していきます!
第1工区 -崇禅寺駅周辺-
崇禅寺駅は現在の地上駅の直上に高架化されます。これを「直上施工」と言います。また、この駅は高架化に伴って2面2線ホームから1面2線ホームに変更になります。
正面に梅田スカイビルが見えます。現在は高架橋が一部遮っていますが、高架化以降はとてもいい景観になるのではないでしょうか。
先ほどの梅田スカイビルを遮っていた高架部分です。ここから南方に向かって地上に降りていきます。
第2工区 -崇禅寺~淡路駅間-
あまり工事が進んでいないような気がします。
この工区は特に建設用地が少なく、直上施工で工事が進んでいます。
第3工区 -淡路駅周辺-
大阪市の重要整備路線に指定されている歌島豊里線との交差部分です。幅の広い道路となるため、交差部分の高架橋だけは特別な「2層トラス桁」が用いられています。道路整備はこの工事が終わってからになるそうなので道路の完成はまだ先になりそうです。
淡路駅周辺は2層構造ですが、各方面に伸びた先で上下線が階段になり、平面になります。上の写真ではちょうど階段になる部分が見えます。個人的にはここが一番好きです!
ちなみに、この周辺の上空写真のツイートでめちゃくちゃいいって思ってて、今でも忘れられないのがあるので載せておきますね!
お待たせしました、淡路駅です。奥に見える”要塞”が高架淡路駅です。
1面2線ホームが2層構造になる予定です。
淡路駅のすぐ近くでJRおおさか東線を超えなければいけないため、ホームは高い位置に設計されています。高さ30mだそうです。いや本当にでかすぎる…ショッピングモールができるのかな?と思ってしまいます。
第3工区の写真だけめっちゃ多くてバランス悪いので、ここだけ別記事でまとめようと思います。
第4工区 -淡路~下新庄駅間&新幹線超え-
まず、新幹線を超える前におおさか東線を超えます。
この工事が結構面白くて、すでに完成した橋脚から桁を送り出すことでおおさか東線の上に高架橋を作る工法を使っているそうです。
ここも直上施工で作られています。
阪急千里線と東海道新幹線が交差する地点です。高架化するにはどうしても新幹線を超えるしかありません。そのためこの周辺の高架はかなり高い位置になります。新幹線を渡ってすぐにある下新庄駅のホームは25mの高さにあります。
ちょうど新幹線も橋脚の修繕工事を行っていました。
ちなみに、新幹線の交差部分の橋脚名に「阪急千里山線」とありました。これは阪急千里線の過去の路線名です。阪急千里山線の話はこちらにも少し…。
第5工区 -淡路~上新庄駅間-
淡路駅から上新庄駅に向かうにつれて少しずつ下っていきます。
府道14号 大阪高槻京都線との高架区間です。第5工区では現在の路線の横に構造物を作る「別線施工」工法が用いられています。
第6工区 -柴島駅周辺-
第6工区は「別線施工」と「仮線施工」で工事が進んでいます。仮線施工は、現在の路線の横に仮線を作り、それによりできた空き地に構造物を作る工法です。
また、崇禅寺駅は高架後も2面2線ホームです。
先ほどの踏切から反対側(天神橋筋六丁目方面)を望みます。仮線を設置しため、右の線は後に撤去されて高架橋が作られることになります。
川もないのに何でガーター橋みたいなの架けられてるんやろ?と思っていたのですが、すぐ隣に答えがありました。浄水場の埋設管があるそうです。
第7工区 -下新庄駅周辺-
とても短い工区です。見れば分かりますが立ち退きがまだ進んでいないため工事が進んでいないように見受けられます。
第8工区 -下新庄~吹田駅間&橋の架け替え-
ここも見どころです。神崎川橋梁なのですが、橋を「仮線施工」で架け替えます。まず元々使われていた橋の横に仮の橋を架け、旧橋を撤去。その後、旧橋の跡地に新しい橋を架ける大工事になります。なんといっても2回も橋を架けることになるのが驚きです。
手前に新旧の橋脚がありますね。橋脚の高さが全然違います。これには下新庄駅が高い位置にあることが起因していますね。
ちなみに、この撤去されつつある旧橋の橋脚は1876(明治9)年に国鉄東海道線(現JR東海道本線)の一部として建てられたものが使われています。というのも、大阪~吹田駅間のルート変更に伴って使用されなくなったルートを阪急千里線を建設する際に利用したそうです。
分かりにくいのですが、仮の橋は少し弓なりに曲がっています。
工事はまだまだ続く
工事が始まって12年経っており、高架切り替えまであと4年。期間的には75%の位置に立ってはいますが、実際それに見合うほど工事が進んでいるとは言えません。今後はこれまで以上にハイペースな工事になっていくことが想定されます。
大阪メトロポリスでは今後も阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業を追っていきますので、続報をお楽しみにしていてください!
▼今回の取材記事の後編です!▼
コメント
[…] 複雑な配線で有名な淡路駅も現在高架化に向けて工事が行われていますが、こちらはさらに複雑。4方向に延びる線路に加えて、西大寺車庫への入出庫線まであります。 […]
[…] 複雑な配線で有名な淡路駅も現在高架化に向けて工事が行われていますが、こちらはさらに複雑。 […]