「阪急京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業」まとめ

阪急-淡路高架工事

阪急電鉄では京都線・千里線の結節点である淡路駅周辺で大規模な高架化工事を進めています。2028(令和10)年度末の高架切替を目標とする30年がかりの大規模事業です。

この記事では、この阪急淡路周辺高架化工事の概要や建設ルート、各駅のイメージなど徹底解説します!

阪急高架工事まとめ

事業の概要

「阪急電鉄京都線・千里線 連続立体交差事業」は、淡路駅付近の約7.1kmにおいて鉄道を高架化することで、17箇所の踏切を除却し、都市内交通の円滑化と分断された市街地の一体化による都市の活性化を図るものです。また淡路駅周辺の地域は土地区画整理事業も同時に行うことで、まちづくりを進めています

用地取得は1997(平成9)年より始まり、2008(平成20)年より工事が開始しました。そして2028(令和10)年度高架切替2031(令和13)年度事業完了予定のスケジュールで進んでおり、まさに大工事です。(用地取得は管理人が産まれる前から始まっていたようです…)

また用地買収の遅れから工期が非常に長引いており、2度延期で計11年もスケジュールが遅れています。

事業主体 大阪市
事業内容連続立体交差事業
所在地(京都線)東淀川区上新庄1丁目~東淀川区柴島1丁目
(千里線)吹田市南清和園町~東淀川区柴島2丁目
延長7.1km
踏切除却数17箇所(うち1箇所は吹田市域)
高架駅数4駅(崇禅寺駅、淡路駅、柴島駅、下新庄駅)
付属街路8路線、L=5.9km、W=6~10m

除却される踏切(17箇所)

今回の事業の目的の1つでもある踏切除却。今回の事業では計17箇所の踏切が除却されます。

出典:大阪市「阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業
1飛鳥橋踏切10学童踏切
2大宮橋踏切11住宅踏切
3ハラカイ踏切12国次踏切
4一小川踏切13千里北陽踏切
5善隣社踏切14鳩ヶ瀬踏切
6北陽踏切15五田名北踏切
7柴島踏切16下新庄踏切
8大宮通踏切17支線神崎川北踏切
9濾過池踏切

建設ルート(全8工区)

地理院地図を加工

今回の事業区間は、京都線の崇禅寺駅付近~上新庄駅付近3.3kmと、千里線柴島駅付近~吹田駅付近3.8kmの計7.1kmです。既存の営業路線の高架化で、大幅なルート変更や、駅の新設・廃止・統廃合などはありません

淡路駅に加えて、崇禅寺駅、柴島駅、下新庄駅の計4駅が高架化されます。各駅の詳細説明はこの記事の後半で扱っています。

またこの工事では全8工区に分けることで、多数の事業者が同時に工事を進めて効率的に事業を進めています。工区によって進捗はさまざまですが、完成に向けて着々と進んでいます。

工区区間概要事業者
第1工区崇禅寺駅周辺西松建設・佐藤工業・鉄建建設JV
第2工区崇禅寺駅~淡路駅奥村組・錢高組・熊谷組JV
第3工区淡路駅周辺大林組・ハンシン建設JV
第4工区淡路駅~下新庄駅
JRおおさか東線交差部
鹿島建設・戸田建設JV
第5工区淡路駅~上新庄駅方面森組・清水建設・フジタJV
第6工区柴島駅周辺鴻池組・竹中土木・青木あすなろ建設JV
第7工区下新庄駅周辺
東海道新幹線交差部
大成建設・間組JV
第8工区下新庄駅~吹田駅方面
神崎川橋梁
飛鳥建設・前田建設工業・淺沼組JV

「JV」は joint venture(ジョイントベンチャー)の略で、建設業において、複数の企業が一つの建設工事を受注・施工することを目的に組織する共同企業体のことを指します。

淡路駅

東口イメージ図

引用:大阪市「淡路駅 イメージ図」(2026.05.04閲覧).

西口イメージ図

引用:大阪市「淡路駅 イメージ図」(2026.05.04閲覧).

旧イメージ図

出典:大阪市「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業パンフレット」(旧版より引用(現在は閲覧不可)/管理人が加工)

淡路駅は「別線施工」工法で現在の淡路駅の横で高架化されます。高架後は現在の2面4線ホームから1面2線ホームの2層構造に変更されます。

現在の淡路駅は京都線・千里線が地上で平面交差していることから、駅の前後では電車の信号待ちが頻発し、この交差支障がボトルネックとなっています。今回の高架化事業は淡路駅の線形解消が主目的になっています。

また淡路駅は全長約30mの高層駅となります。駅が高層化した理由は淡路駅の東側で京都線・千里線はともにJRおおさか東線と立体交差するからです。
現在は阪急が下(地上)で、おおさか東線が上(高架)の立体交差をしています。しかし阪急を高架化するには既に高架のおおさか東線よりもさらに上でオーバークロスする必要があるわけです。JR西日本と協議を重ねた結果、おおさか東線の6.0m以上を確保することになり、現在の高さに決まったそうです。

崇禅寺駅(京都線)

引用:大阪市「淡路駅 イメージ図」(2026.05.04閲覧).

旧イメージ図

出典:大阪市「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業パンフレット」(旧版より引用(現在は閲覧不可)/管理人が加工)

崇禅寺駅は「直上施工」工法で現在の地上駅の直上に高架化されます。高架後も現在と同じく2面2線ホームの予定です。

また高架前の崇禅寺駅は改札が地下にありましたが、工事の進捗に合わせて各ホームの仮設地上改札を設置して移設しています。

柴島駅(千里線)

引用:大阪市「淡路駅 イメージ図」(2026.05.04閲覧).

旧イメージ図

出典:大阪市「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業パンフレット」(旧版より引用(現在は閲覧不可)/管理人が加工)

柴島駅は「別線施工」工法で、現在の柴島駅の横に高架化されます。高架後は2面2線ホームか1面2線ホームに変更される予定です。

下新庄駅(千里線)

引用:大阪市「淡路駅 イメージ図」(2026.05.04閲覧).

旧イメージ図

出典:大阪市「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業パンフレット」(旧版より引用(現在は閲覧不可)/管理人が加工)

下新庄駅は「別線施工」工法で下新庄駅の上に高架化されます。高架後は2面2線ホームから1面2線ホームに変更される予定です。

この駅は全長約25mの高層駅となります。この理由は淡路駅と似ており、駅南側すぐの位置で東海道新幹線と立体交差するからです。
現在は阪急が下(地上)で、新幹線が上(高架)の立体交差をしています。しかし阪急を高架化するには既に高架の新幹線よりもさらに上でオーバークロスする必要があるわけです。JR東海と協議を重ねた結果、東海道新幹線の8.0m以上を確保することになり、この駅の高さに決まったそうです。

工事の進捗に合わせて仮設ホーム(1面2線に変更)を設置して線路とともに移設しています。

鉄道模型シミュレーターで再現

この高架化区間を鉄道模型シミュレーターNX(VRM-NX)で再現してみました!
なんとなくイメージがつくと思いますので是非見てみてください!
(車両がJRなのは阪急車のデータがないからです…)

事業の歴史

  • 1994.12.24
    都市計画 決定
  • 1997.01.24
    都市計画事業 認可
  • 1997.
    用地買収 着手
  • 2008.09
    高架化工事 着手
  • 2015.10.13
    事業期間の見直しを発表

    用地取得の遅れから、事業期間の7年延長を発表。
    高架切替:2017年→2024年度末
    全体完成:2020年→2027年度末

  • 2023.05.10
    事業期間の見直しを発表

    用地取得の遅れから、事業期間の4年延長を発表。
    高架切替:2024年度末→2028年度末
    全体完成:2030年度末→2030年度末

  • 2029.
    線路切替、側道整備工事 着手(予定)

  • 2031.
    事業完了(予定)

関連記事・工事の経過記録

当サイトでは、阪急淡路駅周辺の高架化工事の様子を定期的に現地探訪して記事にしてきました。
現場のいまや、過去の様子などが分かります!

阪急淡路駅周辺高架化 関連記事
まとめ解説
「阪急京都線・千里線(淡路駅付近)
連続立体交差事業」まとめ
現地探訪
2020年6月[前編]
現地探訪
2020年6月[後編]
現地探訪
2021年2月
現地探訪
2026年5月
路線図 配線略図 配線図(各駅) 配線写真
阪急 京都線
路線図 配線略図 配線図(各駅) 配線写真
阪急 千里線
高架化前後の比較 配線図(各駅)
淡路駅

引用・参考文献

大阪市「阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業」(2026.05.04閲覧).
大阪市「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業の事業期間の見直しについて」(2026.05.04閲覧).
大阪市「淡路駅 イメージ図」(2026.05.04閲覧).

電気車研究会「鉄道ピクトリアル 8月号臨時増刊 【特集】阪急電鉄」,2010.

 

 

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