【2023.04.25更新】運行開始日が2023年6月25日と公式発表されました!
2021年12月9日、大阪メトロの新型車両400系が発表!2023年4月より運行開始することが決まりました!
この記事では、新型車両400系について現在公開されている情報をまとめていきます!
400系の公式発表前までの情報はこちらにまとめています!
大阪メトロの新型車両400系まとめ
【追記】運行開始日が23年6月25日(日)と公式発表
2023年4月25日(火)、大阪メトロは新型車両400系を2023年6月25日(日)より運行開始することを発表しました。
当初予定では同年4月より運行開始予定でしたが、約2ヶ月遅れることになりました。大阪メトロはその理由について、機器の調整に時間を要したと説明しています。
400系は、2023年4月の運行開始を目指してきましたが、運行に向けた車両の試験の中で機器の調整に時間を要したことから、2023年6月25日(日曜日)からの運行開始としました。
大阪メトロ「中央線新型車両400系が2023年6月25日(日曜日)から運行を開始します!」(2023.04.25)
なお、400系の運行ダイヤは公開しないとしています。
車両概要
400系は完全新規でデザインされた車両で、新形式車両30000A系と同時に発表されました。新型車両導入は30000系以来12年ぶり、民営化した大阪メトロとして初の新型車両となります。
宇宙船をイメージした車両デザインはとても斬新で、特に正面から見た八角形の姿は群を抜いて先鋭的です。大阪市交通局時代から新型車両のデザインは特徴的なものが多く、400系もその意志を継いでいると言えます。デザイナーは大阪メトロで「チーフ・デザイン・オフィサー」を務める奥山清行氏。
400系は中央線に6両×23編成(138両)投入が予定されており、製造は日立製作所が担当する。なお400系の投入により現有車両の20系15編成、新20系(24系)5編成は総入れ替えとなる。2023年4月運行開始予定です。
形式名称 | 400系 |
路線 | 中央線 |
車両数 | 138両(6両×23編成) |
製造 | 日立製作所 |
運行時期 | 2023年4月(予定) |
「未来都市」をイメージした宇宙船
デザインの公募型プロポーザルが行われた際、大阪メトロが提示した新型車両「仮称40000系」のデザインコンセプトは「未来都市」でした。
それを受けてデザインされた400系は、コンセプトアートとは宇宙船を意識した未来デザインで、「乗って楽しい」を形にしています。
大阪・関西万博に向けて中央線を「活力インフラ」の舞台・夢洲につながる未来への路線と位置づけて、前面形状をガラス張りの展望形状とし、宇宙船を意識させる未来的デザインを採用しました。それによって、お客さまからの展望や将来の自動運転の可能性を示唆する外観、そして Osaka Metro が提供するアプリや大阪シティバス、オンデマンドバスなどの MaaS との関連性を暗示させる魅力的なデザインとしました。
大阪メトロ「新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します」
また、ホーム可動柵時代の乗降口の明確化と、最新室内装備によるコミュニケーションをデザインテーマとし、扉に中央線の号線色のグリーンを主体に、各車両の装備に応じた配色としました。
また未来的なデザインと同時に、八角形窓の奥には先代の10系、20系を彷彿とさせる正面デザインも内包しており、過去と未来を融合したデザインと言えます。
デザイナーは大阪メトロで「チーフ・デザイン・オフィサー」を務める奥山清行氏。過去にスポーツカーのフェラーリや豪華列車「トランスイート四季島」、北陸新幹線「E7/W7系」などのデザインも手がけられているほか、大阪メトロ関係では、大阪シティバスの車両デザインも担当されています。
行先表示器は運転席上部に設置されており、中央よりズレているところが特徴的です。大阪メトロの車両では一般的な配置ではありますが、400系の行先表示器は既存車両よりサイズダウンしていると思われます。
また30000系や、中間更新後の新20系・66系・70系に導入されていた車両側面の号車表示は400系にはないようです。
最新機能が盛りだくさん!
【新機能】
- クロスシート車両を1編成につき1両配備
- 先頭車両にモバイル用電源(USB)付カウンターを設置
- ”全て”の乗降口上部に2画面ワイド液晶ディスプレイ導入。Osaka Metroの車両として最大となる21.5インチ
- 車内吊り広告を廃止。
- 背もたれの高さを変更。より高くなる。
- 荷棚の高さを変更。全車100ミリメートル下がる。
車内ディスプレイは、中央線では初となる2画面のLCDを導入するそうです!2画面車内LCDの導入は御堂筋線に次いで2例目となります。
これまでの車両では千鳥配置だった車内LCDは、400系では全ての扉上部にLCDが設置されます。
【2022.01.06更新】車内LCDの内訳は、「案内2画面」と「案内1画面、広告・PR 1画面」が千鳥配置になっているようです。
下の図によると、「案内2画面」では駅名、ホームの構内図、乗換案内などが表示されており、「案内1画面、広告・PR 1画面」では路線図が表示されています。
先頭車両に設置されるモバイル用電源(USB)付カウンター。「ユーティリティスペース」という名称だそう。USBコネクターの数は画像を見る限り3口でしょうか。
東京メトロ2000系では「コンセント」が備わっていましたが、400系は「USBコネクタ」のようですね。
【新技術】
- 2024年度に計画している自動運転の実証実験に向けた各種機能(指令所からの運行指令や情報伝達を行うデータ伝送機能など)を導入
- 空調装置に、日常走行における車内温度、外気温度、乗車率等のデータを蓄積・活用し、車内環境に応じて空調を最適に運転する学習・予測制御を導入
- 車両の各装置や機器の状態情報(動作情報等)を常時地上設備へ送信するモニタリング機能を導入
- 非常時に乗務員室から車内防犯カメラの確認が可能なシステムを導入
【既存車両から引き継ぎ】
- 空気清浄装置の全車両設置
- 車内Wi-Fiの全車両設置
- 防犯カメラの全車両設置
- LED照明
- 床面高さを40ミリメートル下げ、ホームとの段差を縮小
内装はモダンで快適に
天井を落ち着いた配色とすると共に、壁面と床面をより明るくし、機能に応じた多色使いの座席と相まって、モダンで快適な空間としました。
大阪メトロ「新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します」
優先座席は2色の青系統の色、それ以外の座席は3色の緑系統の色で構成されています。万博を意識して人々の多様性を表現しているのでしょうか。
モノトーンな空間の中にある緑色・青色の座席がとても映えるなと感じました!
これまでの車両に比べて、背もたれは高く、荷棚は低くなっているようです。背もたれは窓枠を越える高さに設定されています。クロスシート車の背もたれは頭の位置まであるので窓枠を越えるのは当然ですが、ロングシート車では珍しいのではないでしょうか。
つり革も配置にもこれまでにない工夫が施されていて、扉周辺では進行方向に対して垂直向きにもつり革が並んでいます。
大阪メトロ発のクロスシートを導入!
6両編成のうち1両がクロスシート車両になるようです。これは大阪メトロでは初の試みとなります!他の車両とは異なり、茶色中心でかなり落ち着いた印象を抱きます。
このクロスシートは1人がけで、上のデザインアートを見る限りでは固定式だと思われます。そのためか左右の列で向きが逆となっています。
またロングシート車とは異なり、クロスシート車には荷棚が設置されていないようです。
またクロスシート車の配置は3両目(もしくは4両目)と予想しています。デザインアートの先頭から3両目の扉の配色が、唯一グレー(?)になっているためです。公式案内でも「各車両の装備に応じた配色」と記されてあるため、そういうことなのでしょう。
【2022.01.06更新】クロスシート車は3両目(もしくは4両目)となるようです。3両目の中央2扉の配色が唯一グレーになっています。
また扉の右下にはクロスシートのようなピクトグラムが描かれていると思われます。
20系、新20系(24系)を総入れ替え
最初にも書きましたが400系は23編成投入されます。そのうち20編成は中央線の現有車両の置きかえ用に、3編成は夢洲延伸に伴う増備用となります。
中央線の現有車両
20系:15編成
新20系(24系):5編成
当初は30編成の投入が予告されていた400系。
2021年6月、伊原薫「そうだったのか! Osaka Metro民営化で変わったもの、変わらなかったこと」(交通新聞社)にて、400系が23編成、30000系が10編成投入だということが判明しました。(実際は30000系ではなく新形式30000A系でした。)
400系は現車両の置きかえ用として、30000A系は万博期間中の増発対応用となります。
30000A系は万博後に谷町線に転属するため、万博後の中央線の車両は400系のみとなります。
400系に関する歴史
- 2018.07.09新型車両の導入を検討中であることが公表
中期経営計画(p.26)にてコンセプトアートとともに公表される。
- 2018.08ころ形式名「仮称40000系」と、導入時期が2022年頃であること、デザインコンセプトが判明。
公募型プロポーザルによる委託事業者選定にかかる企画提案の募集概要、またその質問回答にて判明。1次情報はリンク切れで現在閲覧不可。詳しくはOsaka-Subway.comさんの記事にて(40000系、デザインコンセプトの記事)(導入時期の記事)
- 2018.12.20新コンセプトアート、車両数が公表される
大阪メトロ「地下空間の大規模改革及び夢洲開発への参画について」にて中央線カラーの新デザイン(p.5)と、30車両の投入(p.2)が公表される。これにより現有車両の総入れ替えが確実視されるようになる。
- 2021.06.15形式名、車両装備情報、車両数の変更等が判明する
伊原薫「そうだったのか! Osaka Metro民営化で変わったもの、変わらなかったこと」(交通新聞社)にて判明。
形式名は400系で確定。照明、空気浄化装置、無料Wi-Fi環境などの装備品の情報も複数判明。
また「400系30編成投入」→「400系23編成、30000系10編成投入」も判明する。
- 2021.12.09公式サイトにて400系の情報が正式公開
こちらの記事にて正式に公開。
- 2021.12.09車両デザインは奥山清行氏が担当、日立製作所が全車両を製造することが判明
朝日新聞より。大阪メトロで「チーフ・デザイン・オフィサー」を務める奥山清行氏がデザインを担当。
- 2022.10.27第1編成(406-01F)の搬入開始。
日立製作所(山口県)から海上輸送ののち、緑木検車場まで陸送搬入。その後試運転も開始。
2023年2月以降は、第2編成以降も搬入が進む。
- 2023.06.25運行開始予定
2023年4月25日に公式発表。当初予定は4月運行開始予定だったが、機器調整のため延期された。
関連記事
参考文献
大阪メトロ「新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します」(2021.12.09)
大阪メトロ「中央線新型車両400系が2023年6月25日(日曜日)から運行を開始します!」(2023.04.25)
大阪メトロ「Osaka Metro Group 2018-2024年度 中期経営計画」(2018.07.09)
大阪メトロ「地下空間の大規模改革と夢洲駅周辺の開発への参画について」(2018.12.20)
Osaka Metro公式チャンネル「「Metro News」vol.102 大阪・関西万博に向けて!中央線新型車両400系をご紹介!」YouTube(2022.01.06 投稿)
伊原薫「そうだったのか! Osaka Metro民営化で変わったもの、変わらなかったこと」(2021)(交通新聞社)
Ken Okuyama DESIGN 公式サイト(2021.12.11最終閲覧)
コメント
[…] 数年前に新型車両3000型が登場していたらしいですね。しかもデザイン監修が大阪メトロ400系の奥山清行さんだと聞いて震えました。 […]