近年、関西私鉄では撤廃が進むポケット時刻表。そんな中、大阪メトロ中央線では、大阪関西万博に向けた半年限定の臨時ダイヤ用に新たに刷られたポケット時刻表が登場しました。ダイヤよりも、この時刻表が刷られた事実に衝撃…!
今回の記事では、新しいポケット時刻表を見つつ、中央線旧ダイヤや御堂筋線現行ダイヤのポケット時刻表と比較しながら、味わっていきましょう。
万博臨時ダイヤのポケット時刻表
半年だけのために刷る…?
そもそもこの点に驚いているのは管理人メトロポリマンだけではないはず。
半年だけの臨時ダイヤのためにポケット時刻表が刷られたのですね。
「半年間”も”運用する」と捉えるのか、「半年間”しか”運用しない」と捉えるのか、の視点ですよね。
筆者の感覚では、通常ダイヤのポケット時刻表は一度の印刷部数で数年はもつ印象でした。それだけに、半年のために印刷されたこのシリーズには、感動すら覚えました。
もちろんポケット時刻表の愛好家である管理人にとってはありがたいことこの上ないです(本当にありがとございます)が、一般的な需要はあるのか?…という疑問もあります。関西私鉄ではポケット時刻表撤廃の流れがある中で、こうして刷ってくれるのは嬉しいことですね。
また関連して1970年大阪万博の臨時ダイヤでもポケット時刻表が配布されていたのでしょうか、そこも気になってきました。(そもそもこの時期にポケット時刻表を配布していたのでしょうか。管理人が所有している時刻表の中で最古のものは1980年でした。)
記録が残っている方がいれば、ぜひ教えていただきたいです。
リニューアルした中央線のポケット時刻表を見る
それでは、今回リニューアルしたポケット時刻表を見てみましょう。
本町駅のポケット時刻表を見ます。

まずは表紙から。改正日は2025年4月2日、発行日は2025年4月1日です。
右上には「平日・土曜・休日ともこのダイヤで運行します。(万博臨時ダイヤ期間中)」とあり、今回の臨時ダイヤは全日共通だとわかります。
夢洲方面ダイヤを見ると、その過密ぶりに驚かされます。
8、16〜21時台が最も過密な2分30秒間隔で1時間に24本運行。9、10時台も「子ども優先列車」「子ども専用列車」が最大本数で運行されると同数になります。
学研奈良登美ヶ丘方面ダイヤもすごいです。
過密具合は夢洲方面と変わりませんが、行先のパターンが豊富ですよね。こちらは、「子ども優先列車」「子ども専用列車」の設定がない分、全て営業列車となるため、より過密に感じられます。
広告ページは企業広告がなく、代理店である風光社の広告募集案内が掲載されています。(大阪メトロの時刻表ではよくある)
また終端駅である夢洲駅の時刻表をみてみましょう。



当然ながら夢洲方面ダイヤがないため、1ページは白紙となっています。
旧ダイヤ版や御堂筋線と比較すると分かる臨時ダイヤのすごさ
新版と旧版のポケット時刻表を並べて比較しながら見てみましょう。
いずれも本町駅。旧版は、直近の2025年1月19日改正ダイヤを使用しています。



まず一目でわかるのはサイズの違い。
旧版は3ページ×両面で計6ページ。対する新版は2ページ×両面で計4ページ。2ページ減っています。
これは臨時ダイヤが平日と土日祝で共通となっているためですね。
前章でも書いた通り、平日と土日祝で一体のダイヤとなっている旨の案内があるのも新版の特徴です。
風光社の案内デザインも変わっています。全路線を通してみても、直近ダイヤ改正は中央線(2025年1月)なので、今回のポケット時刻表からデザイン変更されているようですね。
運行本数の違いも顕著です。新版では過密ダイヤがそのまま紙面に反映され、ぎっしりと時刻が並ぶ様子は壮観。ということで、中央線のダイヤと御堂筋線のダイヤ(本町駅)を見比べてみましょう。



中央線臨時ダイヤの過密具合がすごい…。御堂筋線の現行ダイヤと比べても、中央線の臨時ダイヤの方が密度が高いように感じられます。
実は8時台で比較すると、中央線と御堂筋線では御堂筋線の本数の方が3本多いんですよね。ただ最大本数と最小本数の差が小さいので、中央線の方が密度が高いと感じられる要因にもなっています。
ポケ時ファンは今すぐ回収へ!
いかがでしたでしょうか。
半年限定の臨時ダイヤのために新しく印刷されたポケット時刻表。
大阪メトロ史上類を見ない、御堂筋線をも越える過密ダイヤ。万博効果すごいです。
この臨時ダイヤは万博閉会の10月13日まで。収集家の方々は早めに回収しておきましょう!
参考文献
大阪メトロ「2025年4月から大阪・関西万博の開催に向けOsaka Metro 中央線のダイヤを改正します」,2025.05.25閲覧.
大阪メトロ「子ども列車運行に関するご案内」,2025.05.25閲覧.
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