2031年春開業に向けて工事が進むなにわ筋線。大阪駅(うめきた新駅)とJR難波駅・南海新今宮駅をつなぐ新しい鉄道路線です。
その中でも以前から個人的に関心の高かったのが、なにわ筋線と南海本線の接続問題。平面交差となることがより確定的になりました。
その他周辺の地上区間についても工事の詳細が続々と分かってきましたので、この記事でまとめて紹介します。
なにわ筋線と南海本線の平面交差
平面交差が確定的に
今回扱うのは、地上区間の工事説明会資料です。
資料内にある南海新今宮駅からみた完成イメージでは、なにわ筋線と南海本線とが平面交差していることが分かります。
ここでの問題は、平面交差は近年避けられる傾向にある中で敢えて南海(とJR西?)は平面交差を選んだことです。
例えば、阪急淡路駅一帯では平面交差を解消する工事が進んでいます。京都線と千里線の平面交差部では、信号待ちが頻発していることが以前から問題視されていました。
また近鉄大和西大寺駅一帯も平面交差を解消する工事が計画されています。奈良線・京都線・橿原線・車庫出入庫線が平面交差しており、信号待ちが頻繁するほか、ダイヤ乱れ時の影響が大規模になることが問題視されています。
(連続立体交差事業の目的はいくつもあります。あくまでも平面交差解消は目的の一つに過ぎません)
高密度ダイヤの主要幹線で敢えて平面交差を選択する南海。理由については、用地買収や費用面での課題が多いためだと管理人は推測しています。
とにかく開業後も含めて長期的に今後の動向にも注目したいところです。
後述するシェルターはありませんが、おおよそ近しい再現動画を以前に作成していました。
騒音対策で地上・高架区間のフルシェルター化
地上・高架区間は騒音対策が徹底的に行われる予定です。その中でも注目なのはフルシェルターです。
アーチ状で完全に囲われた防音壁(フルシェルター)が設置されます。阪神なんば線の高架区間でも同じ理由から似た光景を見ることができます。
トンネルを抜けて約40mは天井が解放されています。
その後車両が地上へ顔を出す頃にはフルシェルターとなります。南海本線と合流する直前までの約380mの間、フルシェルターは続きます。
このフルシェルター、側面は緑がかった半透明の素材のようです。
この図面からもなにわ筋線と本線が平面交差することが分かります。
他にも騒音対策として、弾性まくらぎ直結軌道、消音バラスト、壁面吸音材、ノイズリデューザーなどが採用されています。
引用・参考文献
関西高速鉄道「なにわ筋線 明かり区間地元説明会」,2023.03.26(2023.04.閲覧).
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