阪急電鉄では、大阪駅地下ホームから十三駅を結ぶ新線「なにわ筋連絡線」と、十三駅から新大阪駅を結ぶ新線「新大阪連絡線」の2路線を計画しています。
定期的に計画の進展が報道されていますが、そろそろ開業が見えてきたのでしょうか…?
今回の記事では、阪急新大阪・なにわ筋連絡線に関する報道の注目ポイントを4点ご紹介します。
阪急新大阪・なにわ筋連絡線と、なにわ筋線の解説はこちら
阪急新大阪・なにわ筋連絡線の新しい報道
今回の報道は阪急電鉄の上村正美専務取締役が産経新聞のインタビューに明らかにした内容です。
なにわ筋線の開業に合わせて2031年開業
これは3ヶ月前でも報道されていましたが、改めて、阪急新大阪・なにわ筋連絡線の開業時期をなにわ筋線に合わせて2031年開業にする方針を明らかにしました。
阪急としてはやはり同時開業は重視しているようですね。
開業が8年後に迫っているわけですが、淀川横断トンネル、十三駅下の新駅など乗り越えるべき問題は多いように感じます。(超素人目線です)しかし阪急は間に合う算段があるのでしょうね。
特急は走らせず、急行を毎時6本運行
阪急新大阪・なにわ筋連絡線ではJR西日本の特急「はるか」、南海電鉄の特急「ラピート」とは異なる急行を運行させる方針のようです。
これは訪日客に加えて通勤客を阪急へ取り込む狙いがあるそう。大阪南部と京阪神の移動手段で阪急の優位性を高めたいようですね。
この急行の運行区間は新大阪~関西空港間。1時間あたり6本ほどで運行。
なにわ筋線以南の関空に向かうルートは南海電気鉄道、JR西日本双方の路線への乗り入れを検討しているようです。
移動時間の目安も報道されています。
・関西空港~十三:約57分
・関西空港~神戸三宮:約1時間20分
・関西空港~京都河原町:約1時間35分
【230830追記】鉄道ピクトリアルに掲載された対談で、南海の梶谷鉄道事業本部長が以下のように仰っていました。
うめきたは今年3月18日に駅が開業して、すでにJRのおおさか東線が大阪駅として使っていますが、ここに南海の空港急行と「ラピート」が入ります。空港急行はうめきたで折り返しますが、「ラピート」は新大阪まで行きたいと考えています。具体化はまだこれからですが、うめきたは貨物も通りますからいろいろな調整が必要です。
文字強調は筆者。出典:梶谷知志・今城光英「対談:南海電気鉄道の鉄道事業を語る」,鉄道ピクトリアル,2023,第73巻第10号(通算1017号),p.24.
うめきたで折り返す予定だった空港急行が阪急経由で新大阪へ乗り入れることになるのかな、と管理人は考えています。
逆に考えれば特急「はるか」「ラピート」は、大阪~新大阪間はJR線経由だということですね。優等列車は速達性重視でJRルート、普通列車は乗り換え利便性重視で阪急ルートという棲み分けをする考えでしょうか。
余談ですが、なにわ筋線開業に合わせてJR新大阪駅の改良工事が計画されています。特急「ラピート」「くろしお」用の引上げ線を設置することになっています。
この改良計画が発表された当時は「関空快速・南海特急ラピートの新大阪乗り入れに伴う駅利用客の増加への対応を目的とした改良」と言っていましたが、関空快速は最終的にどのルートを走ることになるのでしょうね…
阪急で狭軌用の新型車両を開発
阪急も新型車両を開発する方針はまだ残っているようです。
なにわ筋線(JR・南海)は「狭軌」と呼ばれるレール幅で、阪急は異なるレール幅を採用しています。
そのため阪急は新型車両を開発するものの、基本的に南海電鉄と共通構造の車両として、メンテナンスを南海に依頼する方針だそうです。
阪急のシンボルである『マルーンカラー』にはしたいそうで、マルーンの車両が南大阪・関西空港を走ることになるそうです。
十三駅・新大阪駅ともに地下に建設
阪急新大阪・なにわ筋連絡線は完全地下路線になるようです。
十三駅は現在駅の直下に建設するようです。
そして新大阪駅も淀川区宮原3丁目の阪急所有地の地下に建設するそう。
淀川区宮原3丁目の土地はこちらのことです。
管理人的には最も驚いたポイントでした。新大阪は高架駅の方が乗り換え利便性高そうなのに…と感じていたからです。大阪メトロ御堂筋線の北コンコース階に同フロア接続できれば新幹線への乗り換えも早いはずなのですが…。地上は他用途で利用する考えがあるのでしょうか。
編集後記
建設ルートに関しては、十三駅直下に駅建設など、8年以内の建設しなければいけないことを考えて用地買収がより少ないルートを重視しているように感じます。
淡路駅の高架化が、用地買収が原因で工期長大化していることが尾を引いている気がしますね。
引用・参考文献
産経新聞「<独自>阪急、2031年に関空直通へ 急行を乗り入れ」(2023.08.17閲覧).
産経新聞「阪急の関空乗り入れ 人の流れ変える 沿線価値も向上へ」(2023.08.17閲覧).
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