【2021/08/05更新】関連情報を加筆修正しました!
大阪メトロ中央線はコスモスクエア駅のその先、夢洲への延伸に向けて、現在工事が進んでいます。今回はこの延伸事業についてまとめました!
大阪メトロ中央線 夢洲延伸
事業の概要

今回の夢洲延伸は、OTS(大阪トランスポートシステム)の北港テクノポート線計画の一部になります。北港テクノポート線は、「コスモスクエア~夢洲」間を結ぶ南ルートと、「夢洲~舞洲~新桜島」間を結ぶ北ルートの2つの総称で、いずれも中央線を延伸する形になります。
北港テクノポート線は一度事業化され、鉄道道路共用トンネルである夢咲トンネル(コスモスクエア駅 – 夢洲駅間)の鉄道部分だけは準備工事が既に進んでいましたが、一旦全ての事業が休止している経緯があります。しかし2018年に、2025年大阪・関西万博の夢洲開催決定したことを受けて南ルート(コスモスクエア駅 – 夢洲駅間)のみが事業再開されました。
万博が開幕する前、2024(令和6)年度開業を目標に工事が進んでいます。
なお、この延伸区間の事業許可を取得しているのは「OTS」です。「大阪港~コスモスクエア」間のようにOTSが線路を保有し大阪メトロが運営を行う形になるのか、それとも大阪メトロに事業が譲渡されるのかはまだ分かっていません。
営業事業者 | 未定 |
整備事業者 | 未定 |
路線名 | 北港テクノポート線(中央線が延伸) |
事業区間 | コスモスクエア駅~夢洲駅 |
事業延長 | 約 3.2km |
設置予定駅 | 夢洲駅:大阪市此花区夢洲 |
建設費 | |
開業時期 | 2024(令和6)年度開業目標 |
夢洲駅

夢洲駅周辺の開発については、夢洲タワービルの記事でも書いた通りです。
夢洲駅は大阪メトロが開発予定の夢洲タワービルの地下1階に建設予定で、2面2線の駅になる予定です。終点なのに2面2線なのは北ルートの延伸も見据えてのことでしょうか。(千日前線野田阪神駅のような…。)
コスモスクエア駅のようにホームを降車専用と乗車専用に分けることも考えられます。
タワービルは現在凍結。ホームは1面2線になる予定です。
また、夢洲駅の工事が7月7日に着工したことを、大阪メトロの河井英明社長が産経新聞の取材で答えたようです。
参考:産経新聞「夢洲の超高層ビル開発「段階的に行う」大阪メトロ社長 IRの動向がカギ」
また、建設ルートが少し変更されているようです。駅位置の移動や、ホーム幅の2m拡幅など、細かな修正という感じでしょうか。
詳しくはこちらの記事に。
車両は新型に総入れ替え
夢洲延伸に合わせて新型車両400系が23編成導入されるようです。現在中央線は20編成の車両(20系×15、24系×5)が所属していますが、すべての車両を400系と置き換え、さらに延伸に伴う増備用に3編成追加されて、合計で23編成という計算です。
さらに、「大阪万博の開催期間中」は、増発用に30000系を10編成導入されるそうです。これらは万博終了後、谷町線の中間更新工事を受けていない22系と置き換えるようです。
詳しくはこちらの記事に。
万博のため、ということで車両を総入れ替えするとはさすがに驚きました。さらに、増備用の30000系も驚きですよね。なんといっても、緑帯の30000系は期間限定ですので、要チェックですね。
また中央線と相互直通運転を行っている近鉄けいはんな線の車両に関しては、増備・更新の計画はありません。
第三軌条方式・架線集電方式の両方に対応した新型車両を開発し、近鉄奈良線との直通する計画もありましたが、現在は見送られています。
詳しくはこちらの記事に。
夢洲に車庫を整備
夢洲駅建設と同時に、車庫も整備されます。
位置的にはセブンイレブン大阪夢洲店の西側のようで、夢洲駅の北西(舞洲)側から出入庫線がUターンするように伸びています。
万博開催前にOsaka-Subway.comさんが大阪市港湾局の広報担当の方に確認した際には、10編成分の留置線と洗浄線や検査線も兼ね備えた車庫になる計画があるようでした。万博決定後に計画が変わっていることはあると思いますが、このくらいの規模なのだろうという目安にはなると思います。

こちらの記事でも解説しています。
ダイヤは5割増
※あくまでも「大阪万博の開催期間中」の話です。
中央線の運行本数を現在の1時間あたり最大16本から、1時間あたり最大24本に増やす方針です。
大阪万博1日あたりの来場者は最大28万5千人を見込んでおり、その4割にあたる11万8千人の輸送を中央線が担うことを想定しての決断です。(残り6割は車なんだ…)
さらにこの期間中は、夢洲駅に臨時改札を、森之宮検車場には臨時車両置き場を整備し、大阪府市が整備費用を負担します。
整備費40億円の追加
工事方法の変更などのために約40億円の追加費用を試算しているそう。
というのも、想定以上に地盤が弱かったことがわかっため、工事方法を一部変更したことが要因です。今後は工事費を圧縮できる部分を検討していくそうです。
これは毎日新聞の取材にて分かった内容です。さらに「整備費用が250億円だ」と報じられたのはおそらく初めてなのではないでしょうか。
540億円だという記事も以前に見たことありますが、これはいかに…。
鉄道模型シミュレーターで再現!
鉄道模型シミュレーターNXで延伸区間を再現しています!
工事の経過記録
当サイトでは、夢洲延伸工事の記録を定期的に行っています。実際の現場もぜひご覧ください!
2019年5月取材
2020年8月取材
事業の歴史
- 2000.10.11OTSが北港テクノポート線の第一種鉄道事業許可を取得。
- 2009.08.01「コスモスクエア~夢洲」間の夢咲トンネルの道路部分が開通。鉄道部分は準備工事のみ実施。
- 2009.12大阪市行政評価委員会の答申により、北港テクノポート線の事業休止が決定。
- 2018.11.242025年国際博覧会の開催地が大阪夢洲に決定。
- 2018.12.20大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) が夢洲駅周辺の開発の参画構想を発表。
- 2019.02事業休止となっていた北港テクノポート線のうち、南ルート(コスモスクエア~夢洲)の事業再開が決定。
- 2020.07.07夢洲駅の建設工事が着工。
- 2021.05.15整備費が約40億円追加に。
引用・参考文献
大阪メトロ「地下空間の大規模改革及び 夢洲開発への参画について」
朝日新聞「大阪メトロ中央線、運行本数5割増で調整 万博の期間中」
産経新聞「夢洲の超高層ビル開発「段階的に行う」大阪メトロ社長 IRの動向がカギ」
MBS「大阪メトロ延伸整備費は約40億円追加か 工事方法一部変更などが要因 大阪市が試算」
Osaka-Subway.com「【中央線】大阪オリンピックの置き土産…夢洲車庫の実現なるか」
伊原薫「そうだったのか! Osaka Metro 民営化で変わったもの、変わらなかったこと」(交通新聞社)
コメント
[…] 大阪メトロ中期経営計画”改定版”で変わったこと 【7/7着工】大阪メトロ中央線 夢洲駅延伸まとめ […]
[…] 【7/7着工】大阪メトロ中央線 夢洲駅延伸まとめ 北大阪急行延伸工事を見に行きました! […]
[…] そして夢洲駅の駅部分の工事が今年7月7日に着工したことは以前お伝えしました。 […]
[…] 【7/7着工】大阪メトロ中央線 夢洲駅延伸まとめ 【路線図】大阪メトロ 北大阪急行延伸工事を見に行きました! […]