大阪メトロの「降車専用ホーム」のある駅いくつわかる?
大正(長堀鶴見緑地線)
まず紹介するのは、長堀鶴見緑地線の西の終端駅、大正駅から。
1番線は門真南方面の乗車ホーム、2番線が降車専用ホームです。
降車専用ホームで乗客を降ろしたあと引上線に入線して、乗車専用ホームに折り返す形になります。
ドーム前千代崎駅側はホームぎりぎりまでシールドトンネルになっています。
駅直前まで河川や曲線区間があるため、ドーム前千代崎駅側に折り返し施設を設置できず、終端側に折り返し用の引上げ線を設置したと考えるのが妥当な線でしょうか。
天下茶屋(堺筋線)
次に紹介するのは、堺筋線の南の終端駅、天下茶屋駅です。
1番線は降車専用ホーム、2・3番線が天神橋筋六丁目方面ホームです。
平日ダイヤではほとんどの列車の折り返しを2、3番線で行っています。一方で、平日ダイヤの一部の列車や休日ダイヤの昼間の列車は、降車専用ホームから引上線に入線して2・3番線に折り返します。
もともと天下茶屋駅が3番線まで存在するのは阪急・堺筋・南海の3社相互直通運転の構想があり、その際に優等列車専用ホームとして使用する計画があったことが経緯です。ただ未だに実現しておらず、なにわ筋線が開業が決まったことで破談になっていると思われますね。
ただ関空利用の観光客が増加しており、南海に乗り換えできる天下茶屋駅の需要は高まっているようです。そのため1番線を降車専用ホームにして、ホームの混雑緩和を図っていると考えられます。祝日ダイヤで多くの列車が降車専用ホームに入線するようになったのは2019年のダイヤ改正以降です。
野田阪神(千日前線)
千日前線の北西の終端駅、野田阪神駅です。
1番線は南巽方面の乗車ホーム、2番線が降車専用ホームです。
営業列車として折り返す列車は1番線を、回送車として森之宮検車場へ帰る車両は(ラッシュ時は)2番線を使用しています。
折り返す営業列車が1番線に集中しているのは、急いでいる乗客がどちらのホームに行けばよいかを明確にするため……と、どこかで読んだ記憶があります。(一次資料は見つけられませんでした…すみません…)
さらに近年では、元々は4ヶ所あった改札口のうちどちらのホームにも行き来できる改札含めて2ヶ所は閉鎖しており、1番線にしか出入りできない中東改札と2番線しか出入りできない中西改札(出口専用)しか残っていません。
そもそも、野田阪神駅は終端駅なのに対向式ホームであることが特殊なんですよね。これは地上の立地的に島式ホームを建設する余地がなかったことと、建設当初の計画では途中駅にする予定で終端駅なのは一時的なものだったことが理由です。
コスモスクエア(中央線)
最後に、中央線の西の終端駅、コスモスクエア駅です。
1番線は長田、学研奈良登美ヶ丘方面の乗車ホーム、2番線が降車専用ホームです。
大正駅と同じように、降車専用ホームで乗客を降ろしたあと引上線に入線して、乗車専用ホームに折り返す形になります。
この形式が採用されているのは、大阪港駅側に両渡り線を設置できなかったからです。
というのも、大阪港駅~コスモスクエア駅間の大半は海底トンネルで、標高が低い区間です。海底から咲洲に入ると急勾配の上り坂になりますが、この坂がホーム手前のぎりぎりまで続きます。
安全面に配慮して坂の区間に折り返し施設を設置するのは避けて、終端側に折り返し用の引上げ線を設置したのだそうです。
私見ですが、ぎりぎりまで急勾配の坂にしたのは、駅をできるだけ浅い区間にしたかったからだと思います。利用者にとっても地上から浅い方が便利ですし、建設者としても浅い方が工事費は安く済みますからね。
…などと書いていますが、現在は降車専用ホームではありません(正確には2024年12月11日ごろから)。
現在のコスモスクエア駅の写真が ↓ こちら ↓ になります。
そうです。夢洲駅まで延伸するので、コスモスクエア駅は途中駅ではなくなるんですね!(記事投稿時点ではまだ夢洲駅は開業していませんが、既存駅の案内が順次更新されている途中です。)
新しく終端駅となる夢洲駅は降車専用ホームは設置しないため、降車専用ホームのある駅は1駅減ってしまうことになりますね…寂しい…。
まとめ
ということで今回は、大阪メトロの「降車専用ホーム」のある駅をご紹介しました。
降車専用ホームの使い方は三者三葉。おもしろいですね。
いずれも終端駅で中々行く機会も少ないかもしれませんが、興味のある方は駅を目的に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
…お察しの方もいると思いますが、今回この記事を書こうと思ったのは、コスモスクエア駅から降車専用ホームがなくなったこときっかけです。今まであったものがなくなるのは寂しいですね…。ただ管理人は新しい変革も大好きなので大歓迎ですけどね…!!!!
参考文献
岩村潔「大阪の地下鉄 発展を支えた遺風と建設技術開発」,1981,市政新聞社.
橋本博「大阪港トランスポートシステムの鉄道事業」,鉄道ピクトリアル,2004,第54巻第3号(通算744号),pp.64-68.
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