JR京都線(東海道本線)と直通し、琵琶湖線・湖西線の分岐点として重要な役割を持つ山科駅では、2029年度に供用に向けて、特急「はるか」の延伸・折り返し設備設置のための駅改良工事が進められています。
ということで今回は、管理人メトロポリマンが現地を探訪してきました。
この記事では、工事の解説と、(記事にしていませんが)過去に撮影した写真と比較しながら、工事の経過を見ていきます。
山科駅改良工事の概要
工事の目的
今回の工事で変更する点は、大きく次の2点です。
- 駅北側に12両対応の対向式ホームを1面新設
- 山科駅で特急「はるか」が停車・折り返し可能な配線に変更
現在、特急「はるか」は主に京都駅で折り返していますが、これを山科駅まで延伸して、当駅で折り返し運転できるようにするようです。
JR西日本の公式のプレスリリースによると、この延伸は、京都駅周辺のオーバーツーリズム(観光公害)の解消のため「山科駅を京の東の玄関口として利用」することを目的に挙げています。

「はるか」は京都駅周辺内で嵯峨野線へ乗り入れており、慢性的に混雑している嵯峨野線の線路容量を圧迫しています。プレスには明記がありませんが、「はるか」山科駅延伸で嵯峨野線への乗り入れをやめることで、嵯峨野線の輸送力増強を可能にすることも、JRの狙いとして大きいかもしれません。
現在の配線図
現在の山科駅は2面6線のホームと保線用の側線群によって構成されています。
ホームのない外側の線路は、貨物列車や回送車両の通過用に使用されます。
大津方面(上り線)は、琵琶湖線・湖西線ともに3・4番のりばを使用し、
京都方面(下り線)は、琵琶湖線は1・2番のりば、湖西線は1番のりばを使用しています。

工事後の配線図
改良工事後は、大津方面(上り線)の外側線に12両対応の5番のりばを新設されます。特急「はるか」が停車しても、定期列車の運行を妨げないようにできます。

ざっくり配線の紹介をしましたが、詳細は現地の写真とともに解説していきます。
山科駅改良工事の現地の状況
西側(京都側)
大津方面(上り線)
外側線から4番のりばへの分岐器は撤去されて、内側線から4番のりばへ進入する分岐へ取り換えられます。より京都側では、外側線から内側線への渡り線が新設され、京都側から来た「はるか」は、新設の渡り線で外→内へ渡り3番のりばに停車できるようになります。

現時点ではまだ配線は変わっていませんが、内側線から4番のりばへの片渡り線の設置準備が進んでおり、内側線側の分岐器が設置されているのが確認できます。
また新設する渡り線に干渉しそうな架線柱があり、その撤去が必要になりそう。外側線の外に新しい架線柱が見えますので、いずれ切り替わると思われます。
以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

上下線の内側線
大津方面(上り線)内側線から外側線に向かって分岐していた保線用側線を撤去して、内側線から4番のりばへの分岐が新設されるほか、上下線間に片渡り線が新設されます。

上下線間に新設する片渡り線について、現在の資料では「はるか」の折り返しルートには含まれておらず、使途は不明です。
「はるか」が引上線を経由せずに京都方面ホーム(2番のりば)へ渡ることも一部あるということでしょうか?それともダイヤ乱れ時の折り返し用?

保線用側線は撤去されており、現在は大津方面(上り線)内側線からの分岐器のみが2本設置されています。
以前撮影した写真との比較
2025年12月

(保線用側線はこの時点で撤去されていました。)
2026年5月

京都方面(下り線)
現在の配線は維持しつつ、より京都側に、内側線から外側線への片渡り線が新設されます。
2番のりばを出発して関空方面へ向かう「はるか」は、新設の片渡り線で内→外へ渡ります。

新設の渡り線の設置は進んでいない模様。一方で画像手前に、架線柱が新設されています。
以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

ホーム
ホーム全体
通過用の本線(最も外側の線路)に新たに12両対応の対向式ホームが新設されます。
12両対応のため新快速も停車可能です。

ホーム構築工事に伴って、外側の側壁が広範囲にわたって撤去されています。
以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

ホーム中央(階段辺り)
新設ホームでは、他のホームと同じように、地下通路とエレベーター専用の跨線橋が接続します。

ホームに沿って生活道路があるため、改札口の新設を一瞬期待したのですが、プレスを見る限りはそんなことなさそう。

新ホームの用地に複数の重機が並んでおり、ホーム新設に向けて工事が進んでいるようです。
以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

京都方面(下り線)側の側線

現在は保線用側線があります。こちらにはホーム等の新設はないものの、何かの工事が進んでいるのが視認できます。
以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

東側(大津側)
京都方面(下り線・引上線)
大津側は琵琶湖線・湖西線で方向別三複線になっていますが、京都方面(下り線)の内側線から中央線への片渡り線が新設されます。

現在は内側線から中央線の方向へ分岐する保線用側線があります。JRのプレスを見る限りでは、他の渡り線との位置関係を考えると、この保線用側線を撤去して渡り線を設けそうですね。

以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

大津方面(上り線・引上線)
方向別三複線のうち、内側線が「はるか」の引き上げ線に転用され、その引き上げ線で折り返して京都方面(下り線)の内側線へ渡るための片渡り線が新設されます。
また引き上げ線の終端より先で、中央線から内側線への分岐が新設されます。
現在はまだ目に見える変化はなさそうです。

以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

跨線橋より
大津側の全体がざっくり見えると思い撮影していますが、まだ変化はなさそうです。

以前撮影した写真との比較
2025年12月

2026年5月

以上で終了になります!
供用開始する2029年度まで、あと約3年を要するプロジェクト。大阪メトロポリスでは今後も、山科駅改良工事の経過を配線的視点から、定期的に追っていきますよ!
引用・参考文献
JR西日本「京の東の玄関口 山科駅改良について~特急「はるか」の山科駅延伸により京都市内アクセスがより便利に~」,(2026.06.14閲覧).
今後の鉄道イベント情報(鉄道コムより)



コメント