大阪メトロの前身である大阪市営地下鉄では、開業当初から「マルコ」と呼ばれるシンボルマークが存在しました。残念ながら民営化後は新たなシンボルマーク「moving M」が登場。大阪に無数に存在するシンボルマークは更新が進み、「マルコ」は駆逐されつつあります。
…ですが、マルコのまま更新されない場合があるんですよね。それは大阪メトロと関係のない団体が所有している施設に案内板が設置されてある場合です。そういう権利関係はややこしそうですよね。子どもの管理人には難しいです。
今回はその最たる例として、地下の連絡通路で多くのビルと接続されている御堂筋線本町駅を捜索していきます!施設によって案内のデザインや表記が千差万別なことも注目です!
本町駅周辺のマルコさがし
第二有楽ビル
北北改札と地下連絡するビルです。所有者は有楽土地(*1)。1969年竣工。
ひげ文字の「地下鉄のりば」もセットで注目すべきビルです!
右側の「第二有楽ビル 相愛学園」は少し縦長ですね。
2号出入口の階段の途中にも大きなマルコとひげ文字が。超貴重ですがいつまで保存されるのか…撮影できてよかった。
これは大阪メトロポリス文化遺産(?)に認定です。
2つの案内板の「SUBWAY」を見比べるとフォントが違うんですね。「地下鉄」はどちらも同じですけどね。何の違いなんだ…。
御堂筋線と中央線の本町駅には「船場西」という副駅名がついていますが(四つ橋線にはない)、この副駅名は2011年に追加されたものです。この案内板は丸ごと更新せずに、副駅名だけ追加したんですね。素敵ですね。
御堂ビル
北中改札・北南改札と地下連絡するビルです。所有者は朝日建物(*1)。1965年竣工。
地下街(御堂地下センター)はシンプルでモノトーンなデザイン、とてもきれいな印象を受けました。時期が分からないのですが改装しているのだと思います。
案内が「地下鉄のりば」ではなく「本町駅」なのは注目すべき点ですよね。ピクトグラムから地下鉄であることはなんとなく想像はつきますが、文字として地下鉄や路線名の表記がないのは珍しいのではないでしょうか。
これだけ綺麗なら「改装のタイミングでシンボルマーク更新しようかな」となるのはまだまだ先そうですし、当分は残るのではないでしょいうか。
御堂筋本町ビル
北中改札・北南改札と地下連絡するビルです。所有者は清和綜合建物と日本生命保険(*2)。1985年竣工。
まずは連絡口から。市営地下鉄時代によく見られたサインシステムですね。
そしてビルに入ると別のサインシステムが待ち構えています。
こちらはグレーをバックに地下鉄マークと「御堂筋線」とだけ書かれた案内板が。マルコや地下鉄マークは統一されていますが、文字の方はビルによって表記がばらけているんですね。
さらにもう少しビルの中を歩くとさらにもう1つ。
トイレは赤色と青色の2色が使われているのに御堂筋線は白色なんですね。御堂筋線も赤色にしてくれたらいいのに…!!
ヨドコウビル
中西改札と地下連絡するビルです。所有者は淀川鉄鋼所(?)。1971年竣工。
竣工から50年経っており2008年にリニューアル工事を行っているようです。
改札前の案内板のピクトグラムはマルコなしのオリジナル(?)でシンプルなデザインになっていますね。
さらに少しビルに入っていきます。
8番出入口に向かうとすぐにひげ文字の案内板が!
こちらも大阪メトロポリス的文化遺産認定です。
本町ガーデンシティ
中東改札と地下連絡する本町ガーデンシティです。所有者は積水ハウスと積水ハウス・リート投資法人(*3)。2010年竣工。
オフィスだけでなくホテル(セントレジスホテル大阪)も入居する複合施設である本町ガーデンシティは、2010年竣工で今回紹介する中では断トツ新しいビルです。スタイリッシュで好きです。
地下鉄マークに加えて、大阪メトロ関連では珍しい明朝体とセットになった案内板です。
ラインカラー付きの案内に、中央線の案内まであるんですよね!貴重!!
駅ナンバリングがあるだと⁉⁉
この建物内を探してみても駅ナンバリングがあるのはエレベーター横の案内板だけでした。どういう意図が…?
モノトーンなタイプもあるようです。こちらは路線名がなく、「地下鉄」とまとめられています。
シリーズ化したい
管理人はぶらぶらと散歩が好きなのでこの撮影が本当に楽しかったです。マルコを見つけるとワクワクしますしね。
この記事を書きながら、管理人はこの企画を続けていきたいなという気持ちが高まってきています。でも記事にするにはそれなりにマルコが1つのエリアに密集しててほしい…。今回は取り上げませんでしたが船場センタービル内や、谷町九丁目あたりは多そうなイメージがあるんですよね。どうなんですかね。好きではあるものの知識がないため、今後少しずつ情報集めて準備していきたいと思います!
余談
今回の撮影のためにエンジョイエコカード(1日乗車券)を使い倒し、同じ駅を出入り放題という良さを再認識しました。
当然どのビルも改札外にあるので地上を歩けば全て撮影可能ですが、暗いし寒いし上るし下りるししんどい!といことで、エンジョイエコカードがあれば改札を行き来するのにホームを渡って行けるというわけですね。便利!!!
この裏技はエンジョイエコカードに加えて共通全線乗車券でも可能です。おすすめです。
注釈
*1)高岡伸一・嘉名光一・佐久間康富「都市との関係からみた御堂筋沿道建築物に関する近代建築史研究」日本建築学会計画系論文集 第82巻 第735号、pp.1337-1347、2017
*2)御堂筋本町ビル館内規則
*3)積水ハウス・リート投資法人「積水ハウス・リート投資法人IR説明資料」
コメント
一部谷町九丁目駅でヒゲもじが交換される事象を受けて
東梅田・本町駅のヒゲ文字などを確認してきました。
【結果】
東梅田駅は無事生存
本町駅本町ガーデンシティー出口で一部変更がありましたが
大半は無事が確認できましたがいつ変更されるかわからないので
不定期に生存確認に行く必用があることがわかりました。
調査お疲れ様です!
なくなって当然のものが偶然にも残っていると捉える方がいいなと思い直しました…。
通りすがりですいません!
ご存じならあれですが、本町駅は12号出入り口にも、ヒゲ文字の駅名標が健在です。ただ、ここのは肝心な「本町」の文字がゴッソリ欠落している上に、出入り口番号も振られていないため、非常に悲しい姿ですが。。。あと、その12号出入り口を降りて右に行くと船場センタービルの入り口がありますが、その付近にもヒゲ文字ではないですが、コマルマーク付きの古い案内板がありますよ。