2022年7月22日、大阪メトロの新造車両30000A系が運行開始!
この記事では、新造車両30000A系について現在公開されている情報をまとめていきます!
30000A系が陸送搬入されました!詳しくはこちらから!
大阪メトロの新造車両30000A系まとめ
車両概要
30000A系は30000系をマイナーチェンジした車両で、新型車両400系と同時に発表されました。新形式車両導入は30000系以来12年ぶり、民営化した大阪メトロとして初の新形式車両となります。
万博開催期間中の必要な輸送力を確保するために中央線に投入される車両で、万博後は谷町線に転用することが予告されています。
30000A系は中央線に6両×10編成(60両)投入が予定されており、全10編成が2022年度中に搬入されます。製造メーカーは近畿車両。
2022年7月22日より運行開始です。
形式名称 | 30000A系 |
路線 | 中央線→谷町線(万博後) |
車両数 | 60両(6両×10編成) |
製造 | 近畿車両 |
運行時期 | 2022年7月22日 |
「 A 」の意思を継ぐ車両
30000A系は30000系に改良を加えた車両で、30000系とは別形式であることから末尾に「A」と付けられています。
この「A」を付いた車両は大阪メトロでは4例目で、過去に1000A形、ニュートラムの100A系、御堂筋線の10A系があります。
1000A形
23両存在した1000形のうち、先に製造された19両の車両。御堂筋線・四つ橋線にて使用されていた。後の4両は設計変更があったため前者と区別して1000B形と名付けられている。そのためB形が完成した際に、さかのぼって前者をA形と名付けることとなりました。
ニュートラム 100A系
100系をモデルチェンジして新造された車両。扱いとしては100系の3次車~7次車となっています。そのため車両番号は100系との連番です。
御堂筋線 10A系
老朽化した10系車両をリニューアルする際に、製造時より10系に搭載していた制御装置(電機子チョッパ制御)とは異なる制御装置(VVVFインバーター制御)に更新した車両。制御装置が異なる2者を区別するために「A」を使用している。リニューアル時に形式変更したため、新造時から10A系である車両はありません。
出典:大阪市交通局「大阪市営交通90年のあゆみ」(1993)
出典:電気車研究会「鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊」
30000系を踏襲しつつも逸脱したデザイン
車体シルエットに変更はありませんが、30000系とはまた異なった独特なデザイン・配色が特徴的です。
車体形状は御堂筋線30000系と同様とし、デザインについては、号線色を残しつつ、これまでの号線色帯を改め、今までにない斬新なデザインとしました。
大阪メトロ「新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します」(2012.12.09)
大阪のにぎわいと人々の輝く姿をドットでシンボル化し、今まで以上に人・街・乗り物が有機的につながりあう、これからの新しい未来を、スパークルドットとして表現しました。それぞれのドットの意味として、ホワイトは街ゆく人々、アースグレイは街並み、グリーンは Osaka Metro の車両を表しています。また、未来社会をゴールドで表現し、そこに存在するすべての要素が多様性をもってランダムに「集まる」「つながる」ことを表しています。
無秩序に配置されているドット(スパークルドット)が非常に特徴的で、動的に感じられます。特に車両正面のスパークルドットは、左にいくほど集まり、右にいくほど広がっていくさまが美しいです。
「グリーンは Osaka Metro の車両を表して」というのは中央線のラインカラーが緑色であることを示しています。
また30000系や、中間更新後の新20系・66系・70系に導入されていた車両側面の号車表示は400系にはありません。おそらく400系のデザインとの兼ね合いかと管理人は考えています。
車内はさわやかに
外観と同じデザイン・配色で、大阪メトロでは珍しいさわやかな印象がありますね!
腰掛の表布は背と座面で色を切り替え、背をゴールドイエロー、座面をターコイズブルーとし、下方に重心を置くことで、車内全体が明るく軽やかに、そしてさわやかな車内となるようにしました。また、スパークルドットを車内にもアレンジすることで、新しい未来を感じさせるワクワク感を演出しました。
大阪メトロ「新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します」(2012.12.09)
万博期間中の増備用で、その後は谷町線へ
30000A系の投入目的は「万博開催期間中の増発用」です。そのため万博終了後は中央線からは退き、谷町線に転属して、中間更新工事を受けていない新20系(22系)の置き換えに使われることが決まっています。
谷町線に転属したときに外観・車内がどのように変化するのかも気になるところです。設計段階で既に谷町線への転属が決まっているため、転属後のことまで想定しているはずです。さすがに転属時にラインカラーに合わせた配色変更は行うと思いますので、低予算で容易に変化させる工夫がなされているのではないかと睨んでいます。
また同時期に投入される新型車両400系は「中央線の現有車両の置き換え」を目的に投入されるため、万博後も中央線を走ります。
「 32651 」が示すもの
30000A系のデザインアートには、32651の車体番号が刻まれていました。
今回の問題は千の位「2」と、十・一の位の「51」です。
車体番号の付け方(5ケタである新20形、30000形の場合)
3 2 6 5 1
万の位 | 形式 | 形式ごとに共通する番号 新20系なら2、30000系なら3 |
千の位 | 路線 | 路線ごとに共通する番号 御堂筋線は1号線なので路線番号は1、谷町線は2、中央線は4、のように各路線に番号がある |
百の位 | 車両 | 号車ごとに共通する番号 4両編成の場合、端から6、1、3、9 6両編成の場合、端から6、1、8、3、2、9 10両編成の場合、端から6、0、1、7、4、8、5、3、2、9 |
十・一の位 | 編成 | 編成ごとに共通する番号 製造順に01、02、… 新21系では他線からの転属車両は50、60番台 |
中央線の路線番号は4ですので、慣例では「34601」となるはずですが、そうはなりませんでした。
この慣例に倣って考えると、今回の「32651」は谷町線用30000系車両で他線からの転属車両の番号となります。
万博後に谷町線に転属することが決まっていますので、初めからこのような番号に割り振っていると考えるのが妥当でしょう。
30000A系に関する歴史
- 2021.06.15中央線に30000系が投入されることが判明する。
伊原薫「そうだったのか! Osaka Metro民営化で変わったもの、変わらなかったこと」(交通新聞社)にて判明。
新型車両400系とともに、万博期間中の増備用車両として10車両の投入。万博後は谷町線に転属されることも公表。
- 2021.12.09公式サイトにて30000A系の情報が正式公開
こちらの記事にて正式に公開。デザイン、車内装備などもに加えて、30000系とは異なる別形式の車両であることが公表される。
- 2022.03.16緑木検車場に陸送搬入開始
51編成を皮切りに陸送搬入が開始しました。詳しくはこちら。
- 2022.04.11試運転を開始
深夜に四つ橋線にて試運転が行われました。
後日、森之宮検車場に回送されて以降は、中央線・近鉄けいはんな線内にて何度も試運転が行われました。 - 2022.07.19運行開始日が発表
大阪メトロ公式サイト(記事)にて7/22(金)より営業運転が始まることが発表されました。
- 2022.07.22第1編成(32651F)運行開始
参考文献
大阪メトロ「新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します」(2021.12.09)
大阪メトロ「中央線に27年ぶりの新造車両「30000A系」が7月22日にデビュー!万博開催期間中の輸送力増強を目的に順次導入します」(2022.07.19)
伊原薫「そうだったのか! Osaka Metro民営化で変わったもの、変わらなかったこと」(2021)(交通新聞社)
石本隆一「大阪の地下鉄」(1999)産調出版
電気車研究会「鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊」
大阪市交通局「大阪市営交通90年のあゆみ」(1993)
コメント
30000A系、谷町線に行く時どうなるのかな…
ドットの色が緑から紫になる程度にしてほしいな…